静岡市議会 1997-02-28
旧清水市:平成9年第1回定例会(第3号) 本文 1997-02-28
次に議第98号、清水市
高齢者在宅福祉基金条例の一部改正については、寄附だけに頼らない基金の運用を求めるとの意見が述べられた後、本件を表決に付したところ、
全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
また議第91号、平成8年度
老人保健医療事業特別会計補正予算については、特に御報告申し上げるような事柄もなく、
全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。
10
◯議長(
渡辺隆巳君)ただいまの
委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑はありませんか。
〔「異 議 な し」〕
11
◯議長(
渡辺隆巳君)質疑なしと認めます。
質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
討論の通告がありますので、発言を許します。
西ヶ谷忠夫君。
〔
西ヶ谷忠夫君登壇〕
12
◯西ヶ谷忠夫君 私は
日本共産党を代表いたしまして、議第87号、平成8年度
一般会計補正予算、議第88号、平成8年度
競輪事業特別会計補正予算の2件に対しまして
反対討論を行います。
まず
一般会計補正予算でありますが、歳入、歳出で11億1484万9000円の減額となり、
予算総額は683億9478万9000円となります。歳入での減額の特徴は市税の
法人市民税2億5400万円、
利子割交付金で3億1400万円、利子及び
配当金8395万円、諸収入の
市預金利子で2000万円等が減額の大きな比重を占めております。この数字は現在の
経済情勢と、市民の暮らし、
市財政の実態を示す数字と受けとめ、4月から消費税5%が導入されますと
経済情勢に与える影響はより大きく、
市財政も深刻な影響を受けることが予想をされてます。
とりわけ利子及び
配当金などの減額は、当初利子で2.0%を見込んでいたものが、0.5%ないし0.4%という水準となり、
市財政とこれをもとにした諸事業を後退せざるを得ない実態をつくり出しております。そこには政府、大蔵省の責任と、
史上最高の利益を上げている銀行の利益第一主義をとる姿勢も厳しく問われなければなりません。
我が党は
市財政の健全化のために縁故債や政府債の切りかえ、借りかえ償還を進め、経費の削減をするよう、この間強く主張してまいりました。当局も受け入れいたしまして、今回の
補正予算でも
長崎スポーツ広場の起債分6.9%の高利の8664万円の償還を進めて、この利子分として1942万9000円の削減に努めたことは評価されるべきことであります。しかし、償還だけではなく、政府と銀行に対して借りかえを認めさせるよう、強くなお働きかけ、経費の削減に努めて、市民の暮らしと福祉、教育の前進のために執行できるよう、強くこの際要望を行っておきます。
次に歳出の
反対項目についてであります。7
款商工費2項
港湾費5目の
港湾建設費の
負担金補助及び
交付金の
県単独事業費37万2000円の追加で、
負担金総額は1億6317万9000円となります。次に8款2項3目
道路新設改良費の15節の
負担金補助及び
交付金で、
県工事費負担金の450万円の追加であり、これによって平成8年度
県工事費負担金総額は1億4950万円となります。この間我が党は、これらの
負担金に対しまして
地方財政法の趣旨に沿って、
市財政の
財政運営が健全に進められ、
市財政が
地方自治法の本旨に沿って進められるようにすべきだと反対をしてきたところでございます。まして、静岡県が全国47都道府県の中で、5番目の財政力をもつ県といわれ、条例で一律的に市町村に負担を課すことは、前時代的な感覚とともに、
地方財政法第27条の規定にも反することであり、条例によって一律に課していない県も多くあるところであります。
当初は県条例で決まっているからやむを得ないという声もありましたが、私たちは繰り返し指摘をいたしたところであります。そのこともありまして、全県の市の
議長会、市長会を初め、見直しの要望が広がる中で、県も道路に限って
負担率を15%から10%にする方向を決めてきたと報告をされております。しかし、平成7年度の清水市決算を見ますと、
県工事負担金は
都市部、土木部、
経済部関係で総額9億5952万円、約10億円近い金額となっております。
地方分権が言われ、地方の財政の健全化が指摘される中で、この県
負担金を削減にさせるためにも、市当局もより努力されることを主張し、今回の予算措置に反対するところでございます。
続きまして議第88号、平成8年度
競輪事業特別会計補正予算についてであります。
一つは歳出1款
競輪事業、1項事務費、1目19節の
負担金補助及び
交付金の12万5000円の県都市自治振興協会への
負担金についてであります。拠出額は前年度収益の10%を限度にするという基準で自治振興協会に
負担金として支払っております。問題は、この
負担金が何に使われているかであります。明細を見ますと、その一つは都市自治振興事業として欧州等都市行政視察費、また研修事業として海外派遣研修及び税務職員の研修、及び秘書の職員研修等であり、本来県当局が当然行わなければならない事業であります。同時に海外への行政視察の内容を見ますと、市長、助役が対象になっており、同時に幹部職員が対象になっております。この海外視察の実態はどういう内容なのかという点も検討に値する問題であると思うわけであります。同時にこれらの内容を考えてみますと、他の
県工事負担金と性格は全く同じになるものであると思うわけであります。
いま一つは、当局は
競輪事業が
一般会計への繰り入れがあり、
市財政を助けているという話が繰り返し行われてまいりました。しかし、この平成7年、8年の2年間を見ましても、
一般会計への繰入額はゼロとなっております。さらに今日の
経済情勢を考えるなら、これが好転するとは予想もできないわけであります。
日本共産党はこの際、
競輪事業そのものを原点に返って是非を検討し、中止をすることを強く要求し、
反対討論にしておきたいと思います。以上です。
13
◯議長(
渡辺隆巳君)以上で通告による討論は終わりました。これにて討論を終結いたします。
これより議第87号、平成8年度
一般会計補正予算及び議第88号、平成8年度
競輪事業特別会計補正予算の以上2件を一括して採決いたします。
これら2件に対する
委員長の報告は可決であります。これら2件は原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛 成 者 起 立〕
14
◯議長(
渡辺隆巳君)起立多数であります。よって議第87号、平成8年度
一般会計補正予算ほか1件は原案のとおり可決されました。
これより議第89号、平成8年度
国民健康保険事業特別会計補正予算から議第101号、
市道路線の認定についてまでの以上13件を一括して採決いたします。
これら13件に対する
委員長の報告は可決であります。これら13件は原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
15
◯議長(
渡辺隆巳君)起立全員であります。よって議第89号、平成8年度
国民健康保険事業特別会計補正予算ほか12件は原案のとおり可決されました。
16
◯議長(
渡辺隆巳君)この際、暫時休憩いたします。
午後零時14分休憩
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午後1時35分開議
17
◯議長(
渡辺隆巳君)休憩前に引き続き会議を開きます。
───────────────────
日程第16 議第102号 平成8年度
一般会計補
正予算(第8号) 外35件
18
◯議長(
渡辺隆巳君)日程第16、議第102号、平成8年度
一般会計補正予算から日程第51、議第34号、清水市少年自然の家条例の一部改正についてまでを
一括議題といたします。
各説明員から提案理由の説明を求めます。
19 ◯助役(杉本喜久二君)提案いたしました議案その3の議第102号、平成8年度
一般会計補正予算(第8号)及び、議第103号、平成8年度
草薙駅前駐車場事業特別会計補正予算(第2号)についてご説明申し上げます。
本議案は、年度内に支出の終わらない普通建設事業等、合わせて14事業について、
地方自治法第213条第1項の規定に基づき、翌年度に繰り越して使用しようとするものであります。
まず、
一般会計におきましては、総務費の草薙駅前西自転車等駐車場整備事業について、施設外観の色彩等の検討に日数を要したことにより、2841万1000円を繰り越し、農林水産業費では、国の経済対策による
国庫補助金の追加内定を受けた経営基盤確立整備事業費
補助金のほか、ふるさと農道緊急整備事業など3事業が事業実施に当たり、用地測量における
地権者との調整や、県道との交差点協議等に日数を要したことにより、また、年度後半に至り、工事着手について清水市漁業協同組合の同意が得られた興津漁港海岸環境整備工事など、合わせて5事業、2億5315万円を繰り越すものであります。
土木費におきましては、興津清見寺町地内道路改修事業ほか6事業について、国の経済対策による
国庫補助金の追加内定や、工事施工に先立っての用地交渉、建物移転交渉などに予想以上の日数を要したことにより、3億6264万1000円を繰越し、
一般会計全体では、13事業、6億4420万2000円を繰り越すものであります。
次に、草薙駅前駐車場事業特別会計におきましては、先に御説明いたしました草薙駅前西自転車等駐車場整備事業と関連するもので、施設外観の色彩等の検討に日数を要したことから4億585万3000円を繰り越すものであります。
以上、よろしく御審議を賜りますよう、お願い申し上げます。
〔市長宮城島弘正君登壇〕
20 ◯市長(宮城島弘正君)平成9年度の予算案並びに関係諸議案の審議をお願いするに当たり、市政運営の基本的な考え方と予算並びに施策の大要を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。
21世紀を間近に控え、我が国をめぐる状況は極めて厳しい局面にあり、多くの課題を抱えておりますことは皆様も実感されていることと存じます。私が市政をお預かりして3期、11年余、この間の内外情勢は、まさに激動、変動の中で推移してきました。
東西冷戦構造の崩壊によって、根本的な枠組みが変化し、世界の潮流を大きく変革させ、国内においても、経済社会におけるバブルの絶頂期から崩壊までを一挙に経験し、いまだに回復し得ない景気の現況に、今もなお苦闘しているところであります。
国際環境を概観いたしますと、米国経済におきましては、戦後3番目の長さに達していると言われるほどの景気拡大局面が、今後もその好調さを持続すると言われ、また、欧州も通貨統合の実現に向けた取り組みが行われている中で、総じて回復基調は定着していると伝えられております。
一方、90年代に入って急成長を続けてまいりましたアジア経済は、96年には鈍化傾向が見られたものの、97年後半からの回復が期待されており、加えて香港返還、アジア太平洋経済協力会議の発展などアジア時代の到来が本格化していくものと思われ、世界全体の経済は拡大基調にある、というのが一般的な見方であろうと認識いたしております。
しかしながら、世界人口の4分の1を占める中国の動向や、朝鮮半島、中東情勢や最近ではペルー大使館人質事件に見られる国際テロ問題等々、不安定要因があるのもまた事実であります。
我が国におきましては、2000年における出生率が1.38までに落ち込む一方で、老年人口の割合はほぼ一貫して増え続け、2050年には65歳以上の老齢人口が33.3%と、実に3人に一人が老人という私達がかつて経験したことのない少子・高齢化社会の到来が予測されます。
また、財政面では国、地方を合わせた長期債務残高は平成8年度末には442兆円に達し、主要先進諸国の中でも財政の危機的状況は、最悪の状態にあると言われております。
さらには一時の急激な円高や、世界の成長市場に生産基地を築くということなどから、国内製造業を中心に海外に移転する産業の空洞化等々、直面する課題は山積をいたしております。
これらの解決のため、国におきましては行政改革を初めとして、財政、社会保障、経済、金融システム、教育の六つの改革を最重要課題として取り組む、との姿勢が示されたところであります。
昨年10月、小選挙区比例代表並立制による初の総選挙が行われ、行政改革論議が大きな焦点となりましたことは記憶に新しいところでありますが、今後中央省庁の統廃合や規制緩和、
地方分権などといった方向で改革が実行に移されてくるものと思われます。
当然のことながら、地方自治体におきましてもこの行財政改革の推進は、喫緊にして重要な政策課題であります。
また、地域のことは地域でという分権社会に向けた流れがようやく動き出し、市町村の役割は今後ますます大きくなってまいりますが、自治体には
地方分権にふさわしい権限と財源に加え、これらを効果的に運営する人材等が必要になってくるものと認識しております。
97年は地方自治制度発足50年の節目の年にあたり、地域社会の発展のため、自らの意志と責任でまちづくりに取り組む一層の決意と工夫が、求められるものと考えております。
我が清水市におきましても国内外と同様、産業、経済等あらゆる分野で様々な変化を体験してまいりましたが、平成元年に策定した第三次清水市総合計画をもとに、海、ひと、まちが共存する国際海洋文化都市=マリンピア清水の創造の実現に努め、厳しい財政状況の中にあっても、多くのプロジェクトを実行に移し、変容する姿の一端をお示しできるようになってまいりましたことは、議員各位をはじめ、市民の皆様の御理解と御協力のたまものと心から感謝を申し上げる次第であります。
まちの持つすぐれた特性を積極的に引き出し、活用することにより、ゆとりと活力に満ちた地域社会を実現することが、まちづくりの基本的な考え方でありますが、本市におきましては何といっても海、港であろうと考えます。
海洋を生かした産業の振興や、港の機能の充実、港勢の拡大等が極めて重要な施策でありますが、今般これらを進めていく上で、欠くことのできない新港湾計画の改訂に伴う漁業補償問題が、漁業関係者の理解と協力を得られましたことは大変喜ばしいことであり、港湾計画の実施に向け、大きな前進をいたすものとなったところであります。これもひとえに関係者の皆様の熱意と御協力によるものと感謝申し上げる次第でございます。
また昨年の海、港とを結ぶ第二東名自動車道の着工、中部横断自動車道の整備計画への格上げ等は大変な朗報でありました。
駿河湾から内陸部を経て日本海に抜ける南北軸や、関東内陸部を結ぶ連携軸の形成により、各地で多様な交流、連携が図られると同時に、港湾機能の活用が一層高まる等、物流、観光、産業、防災等さまざまな面で今までにない効果が期待され、本市発展の可能性が飛躍的に高まるものと考えております。
今後は1日も早い着工と全線の整備計画への格上げに向け、皆様とともに関係機関に働きかけてまいりたいと考えております。
また、日の出地区再開発事業は、待望の民間による開発が具体化し、マリンパークや自転車歩行者専用道、テクノスーパーライナーの発着所、また開港100年に向けて整備される客船ターミナルや、日の出多目的上屋展望広報資料室(仮称)など、親しみのある港の創出に一層の努力を傾注してまいりたいと考えております。
さらに、市民の皆様の最も期待されておりますJR清水駅周辺の開発事業につきましても、すでに着手している駅東土地区画整理事業地内に勤労者総合福祉センターB型の建設が決まり、今後は自由通路、橋上駅やマリンバザール、民間の再開発など官民挙げての整備がいよいよ本格化することになります。
本市にとってこの事業が、最重要課題の一つであるとの認識に立って、全力で取り組んでまいる所存であります。
また、特に本年度は高齢者福祉対策に力を注ぎ、総合福祉センター(仮称)の建設を初め、各種福祉サービス事業の充実に努めてまいります。
地震対策につきましては、防災拠点となる防災センター(仮称)を整備するとともに、突発的な東海地震の発生に備え、発災直後の対応策に重点を置いた各種の緊急対策事業を展開してまいります。
また
静清流域下水道浄化センターが完成し、一部の地域で
供用開始となりますが、これによりまして、生活環境の改善や、巴川の浄化が大きく前進するものと期待されるところであります。
本市のスポーツ界も昨年は記念すべき年となりました。近代五輪100周年の記念大会となったスポーツの祭典アトランタ五輪に、本市関係選手が11人出場し、銀メダルに輝いた野球のほか、6人の選手を送り込んだ男子サッカーは、ブラジルを敗るなどサッカーのまちにふさわしい感動と興奮を与えてくれました。
また、2002年W杯国内開催地に本県が選出されたことや、清水エスパルスがJリーグ、ナビスコカップで優勝し、初タイトルを獲得し、またエスパルス球団事務所が本市に移転したことなどは、サッカーを通したまちづくりを進める本市にとりまして、大変喜ばしい出来事でありました。
今後はナショナルトレーニングセンターや野球場を中心とした庵原スポーツパーク、体育館の建設計画を含めた日本平運動公園などを順次整備することによって、スポーツ健康都市にふさわしいまちづくりを進めてまいります。
また、市民憩いの場として、あるいは観光面等さまざまな利活用が期待される市民待望の温泉掘削に取り組んでまいります。
さらに、住民の日常生活圏や経済圏の拡大により、広域的な市町村の連携が求められる時代となっておりますが、こうしたことへの取り組みに対しましても、一層の努力を傾注してまいる所存であります。
厳しい財政状況の下でも、本格的な高齢社会を間近に控え、総合的な地域福祉施策や生活関連基盤の整備等重要政策課題に取り組み、市民福祉の向上及び本市の発展に直結する事業推進を図っていくこととしたものであります。
その結果、
一般会計の予算規模は、対前年度比0.9%増の674億円となったところであります。
特別会計は、医療費の伸びによる国民健康保険事業や老人保健医療事業の増額に伴い3.1%増、企業会計は、静清処理区が
供用開始となる下水道事業及び、高度医療機器整備等による病院事業の増額により2.2%の増となりました。
これらを合わせた総予算規模は、対前年度比1.8%増の1390億2068万3000円となったところであります。
以下、第三次清水市総合計画、海、ひと、まちが共存する国際海洋文化都市、マリンピア清水の創造の4つの基本目標に沿って、主要な施策の概要をご説明申し上げます。
基本目標の第1は、美しいまち清水であります。
まず、「水に親しめるまち」では、興津川は、緑豊かな自然に恵まれた市民憩いの場であるとともに、貴重な水道資源であり、本市にとっていわゆる母なる川であります。この流域の自然環境の保全を図り、次の世代に引き継いでいくことは、私たちに課せられた責務であると考えております。このため、保全の普及啓蒙活動を引き続き推進するとともに、水源涵養の積極的な取り組みを図ってまいります。
公共用水域の水質保全を図る上で重要な役割を果たす下水道事業では、第8次下水道整備5箇年計画の2年度目となる平成9年度は、いよいよ静清浄化センターが完成し、静清地区の下水道事業が飛躍的に推進されることになりますが、南北処理区を合わせた面整備に力を注ぎ、一層の普及率向上に努めるとともに、水洗化の普及を促進し、下水道施設の効果的な運用にも努めてまいります。
このほか、県等の協力をいただきながら進めております、みずべ環境の整備では、能島親水公園と高部みずべ公園との間の連絡橋架設に着手し、さらに、興津川の親水河川環境整備を初め、塩田川や、天王町桜づつみの河川環境整備などを引き続き実施してまいります。
次に、自然とのかかわりを大切にし、季節を演出する、「四季が感じられるまち」では、平成元年度からふるさと創生対象事業として取り組んでまいりました森林公園建設事業は、着々と整備が進み、森林浴等を求めて多くの市民が訪れるようになりましたが、なお一層の集客率を高めるため、周辺の自然環境との調和に配慮した計画的な施設整備と合わせて、イベント等のソフト事業の展開にも力を注いでまいります。
また、まちにやすらぎと潤いを与え、市民の憩いの場となる公園整備では、日本平運動公園に散水用受水施設の設置や、平成15年開催の静岡国体のハンドボール会場となる体育館の基本計画見直し調査を実施するとともに、静岡市と共同で整備を進めております梶原山公園が平成8年度で完了し、引き続き一本松公園の整備を進めるほか、羽衣脇1号公園、一里山北公園などの整備を図ってまいります。
続きまして街並空間をデザインする「絵にしたくなる街並」であります。
江尻町地内の巴川左岸道路の修景を実施する巴川シンボルロード事業のほか、八千代橋の修景、さつき通り歩道への照明灯設置や、銀座江尻町2号線のモニュメント設置、及び辻町商店会街路灯設置など環境整備を進めてまいります。
また、本市の恵まれた自然と歴史的環境に調和した都市景観の推進を図るため、昨年都市景観条例を制定させていただきましたが、この趣旨に沿って、次代に引き継ぐすぐれた都市の創出と市民生活の向上に努力を傾注してまいる所存であります。
次に「清潔感あふれるまち」について申し上げます。
ごみの減量、資源化は、市民の皆様のご協力により着実に成果を上げてきております。
平成7年に制定された容器包装リサイクル法に基づき、平成9年度から資源ごみの新しい再生システムがスタートしますが、本市におきましては、既に実施している瓶、缶等に加えて、平成10年度から新たにペットボトルの分別収集に取り組むべく準備を進めてまいります。
新
清掃工場の建設計画につきましては、関係者の皆様から早期建設に向けてのご同意がいただけるよう、引き続き最大限の努力をしてまいる所存であります。
また、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境基本計画の策定を進めますとともに、公用車に低公害車の導入も図ってまいります。
基本目標の第2は健やかなまち清水であります。
人々が生涯を通じて生きがいを見つけ、健康で安心して生活を営めるまちを目指すものであります。
先ず、「スポーツの盛んなまち」につきまして申し上げます。
生涯スポーツの振興とスポーツを通じての市民相互のふれあいと健康づくりを推進するため市民一人1スポーツを目標に掲げ、諸施策の推進を図ってきているところであります。
このための施設整備として、市民を初め、スポーツ関係者等幅広く利活用できる施設を目指し、県の世界に輝くしずおかづくり事業の採択を受けて取り組んでおりますナショナルトレーニングセンター(仮称)の西側グラウンドの整備や、体育館、トレーニングルーム等施設の実施設計に着手しますが、引き続き財政的支援を県、日本サッカー協会等に仰いでまいります。
また、草薙テニスコートが地主からの返還要望により用途廃止となったことに伴い、同有度地区内へテニスコートを整備するほか、清水小学校グラウンド解放に係る夜間照明施設整備などを実施いたします。
さらに、平成4年度から用地取得を進めてまいりました庵原スポーツパーク建設事業は、面積比率で90.6%が取得済みとなりましたが、施設への市民から寄せられる期待も大きいことから、残る用地の取得に全力を挙げて取り組んでまいります。
また、昨年市民並びに関係者の熱意とご協力によりましてエスパルス球団本社が本市に移転しました。サッカーをキーワードとしたまちづくりを進めている本市にとってさまざまな波及効果が期待されるところであり、球団と地域とのかかわり合いを深める事業の展開を要請するとともに、エスパルスに対する支援を継続してまいります。
次に、「生涯を通じて学び続けられるまち」であります。
市民すべてが生涯を通じて学習できる都市の建設を目指し、家庭、学校、社会を通じての国際化、情報化など新しい時代に対応した教育の推進を図ってまいりたいと存じます。
まず、小、中学校教育は、施設整備として長年の懸案でありました第七中学校の校舎等の改築を、平成10年度にかけて実施するとともに、平成10年度に工事着手を予定している興津中学校校舎等の建設準備に取り組んでまいりますが、地震防災対策上の施設機能を持たせることはもとより、生涯学習の場として地域解放施設としての整備に配慮してまいります。
平成9年度からの新たな試みといたしまして、中学校部活動において、より専門的な技術指導を行うため、民間指導者の活用を図るとともに、幼稚園、小、中学校への外国語指導助手派遣事業の充実を図っていくこととしました。
また、いじめや登校拒否にかかわる諸問題については、これまでも対策を講じてまいりましたが、引き続き保護者、地域との連携を深め、未然防止、
早期発見、早期対応に努めてまいります。なお、この対策の一環として、電話相談にフリーダイヤルを導入することといたしました。
清水市立商業高等学校移転建設事業では、平成8年度に基本計画を策定いたしましたが、具現化に向けて、各種法規制の調整に力を注いでまいります。
さらに、生涯学習あるいは地域コミュニティの中核施設として地区公民館の整備に取り組み、これまでに18館を配置し、地域の学習意欲にこたえるとともに、次世代を担う地域リーダーの養成など大きな役割を果たしてきているところでありますが、新たな公民館の整備といたしまして、不二見公民館及び債務負担行為により、土地開発公社に用地先行取得を依頼する入江公民館の建設準備に取り組んでまいる所存であります。
引き続いて、「保健・医療の行きとどいたまち」におきましては、子育て支援策として、2歳児までを対象に通院に係る医療費を助成するほか、清水
市立病院においては、医療の高度化、患者ニーズの多様化並びに外来患者数の増に対応するため、医療スタッフの充実、高度医療機器の計画的な更新など、診療体制の強化を図り、地域の基幹病院としての役割を担いつつ、地域全体の医療水準の向上に寄与してまいりたいと存じます。
次に、「地域福祉の充実したまち」におきましては、市民が健やかに暮らせる地域福祉の充実したまちを基本目標として進めてまいります。
障害者や高齢者の方などが、生きがいをもって生活でき、積極的な社会参加ができる環境を推進し、市民すべてがいきいきと暮らせる社会の実現を目指すとともに、子供が健やかに育つ環境づくりに努めることが責務であると考えているところであります。
このため、既に策定をし、取り組んでおります老人保健福祉計画の目標に向けての推進を図るとともに、障害者が健常者と共に生活し活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念に基づく障害者福祉計画及び、少子化に対応した子育て支援のためのエンゼルプランの策定に取り組み、総合的な施策体系のもとでの福祉の充実に努めてまいる所存であります。
先ず、建設の準備を進めてまいりました地域福祉活動の拠点施設となる総合福祉センター(仮称)は、平成9年度着工の運びとなり、平成10年度の完成に向けて、障害者も健常者も、子供からお年寄りまでの各世代のだれもが利用でき、交流が深められるとともに、ボランティア活動の展開が図られる施設整備に取り組んでまいります。
また、障害者の福祉対策といたしましては、平成8年度に建設を進めてまいりました心身障害者小規模授産所いいだ第二授産所の開設に伴う運営費の助成を行うとともに、ひとり暮らし等の重度障害者が安心して生活が送れるようセキュリティシステムを導入するほか、精神障害者への対応にも配慮してまいります。さらに、常時看護を必要とする身体障害者や高齢者がいる家庭をお世話するホームヘルプサービス事業におきまして、新たに早朝、準夜サービスの実施を図ることといたしました。
次に高齢者対策では、建設2年目となる特別養護老人ホームあすなろの家(仮称)及び、折戸地区に在宅福祉施設を併設した特別養護老人ホーム「羽衣の園」(仮称)の建設に対して支援をしてまいります。
また、お年寄りを介護する家庭から要望の強い入浴サービス事業の充実を図るため、日曜、祝日、夜間のサービスを開始するほか、介護に必要なベッドの貸与数を増やし、合わせて利便にも配慮し、これまでの手動方式から電動ベッドへの切り替えを順次実施していくとともに、外出が困難な高齢者宅を歯科衛生士が訪問し、保健指導を行う事業を進めるなど在宅福祉の向上に努めてまいります。
次代を担う児童の健全育成のための児童福祉対策におきましては、入江保育所等の施設整備を実施するほか、平成8年度に建てかえした
興津北保育所において、子育て支援事業を実施し、子育てグループの指導、育成に努めるとともに、グループのネットワーク化にも取り組んでまいる所存であります。
さらに、勤労者総合福祉センターB型施設内に、女性の活動や子育てを支援する場の設置を検討してまいります。
続いて「安全で快適なまち」では、市民と行政が一体となって災害に強いまちづくりを進めてまいります。
平成7年度に策定いたしました清水市地震対策21行動計画の目標に沿った地震対策事業を進めておりますが、この拠点施設となる防災センター(仮称)の基本設計の実施を初めとして、エフエムしみずを利用しての緊急放送への対応、救助用資機材や緊急物資の充実、避難路の整備、また消防体制としての老朽化に伴う第18分団庁舎の建てかえや、
耐震性貯水槽の増強、自動販売機の実態調査及び、避難場所となる公共施設の整備、水道配水設備等の耐震化を図るほか、県の防災航空消防隊への職員の派遣、民間施設における耐震診断への支援など全庁的な体制で取り組んでまいります。
また、高度化、複雑化する救急業務に対応するため、救急救命士を養成し、高規格救急車の稼働と合わせて市民の救命率の向上を図ってまいります。
一方、自然災害の防止、慢性的侵水地域の解消を図るため、河川、排水路及び都市下水路整備を継続実施するとともに、三保半島の砂浜の侵食対策については、現在、羽衣の松の西約500メートル付近まで侵食が進んでおり、早急な対応の必要性に迫られていることから、県等に可能な限りの対策をお願いし、名勝地を守るための最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
次に、総合治水対策におきましては、大谷川放水路の完成が間近となってまいりましたが、本市としても引き続き岡小学校の雨水流出抑制施設整備を実施するとともに、巴川流域の遊水機能を確保するため、能島地区内の多目的遊水池建設に向けた調査を行ってまいります。
さて、静岡県下の交通事故は、人口10万人当たりの発生件数が全国ワーストワンという不名誉な記録を続けており、大変憂慮すべき状況にあります。
このため、
婦人交通指導員増員への負担や、関係機関や団体の協力を得ながら、特に事故発生率の高い、いわゆる交通弱者と呼ばれている子供やお年寄りの対策に重点を置いた交通安全運動を積極的に推進してまいります。
また、交通安全施設の整備においては、草薙地内の歩道や、JR浜田踏切、宮加三日本平線の自転車歩行者専用道の整備を行うほか、巴川右岸部に緑道の整備を実施してまいります。
さらに、住みよい都市環境の創出と都市の活性化を図る土地区画整理事業では、平成8年度末の事業進捗率が68.6%となる見込みの押切北土地区画整理事業は、区画道路、河川改修工事を主とした事業を進め、早期完成を目指しているところであります。三保東部地区土地区画整理事業の推進では、B調査の早期実施に向けた勉強会や説明会等による啓発活動に取り組むほか、尾羽、横砂地区土地区画整理事業(仮称)の組織づくりを推進し、庵原川西岸地区、谷津地区におきましては、それぞれ地元の皆様の円満なご同意が得られるよう努めてまいる所存であります。
また、住宅対策では、
公営住宅の質的向上、身体障害者、高齢者並びに中堅所得者などへの配慮をし、計画的な供給に努めているところであります。
それぞれ最終年度である北矢部団地3階建、12戸及び、特定公共賃貸住宅船原団地4階建、12戸の建設を進めるとともに、特定公共賃貸住宅の下野東団地建設準備のための用地取得を実施するほか、民間事業者による特定優良賃貸住宅の家賃援助を継続してまいります。さらに、平成3年度に策定した清水市公共賃貸住宅再生マスタープランを現行制度等との適合を図るための見直しを行い、良好な住環境整備の推進に一層努力を傾注してまいります。
ところで、市民の皆様には、昨年の夏場の少雨による水不足から、節水へのご理解を賜り深く感謝申し上げますとともに、大変ご心配をおかけいたしたところであります。
このため本市唯一の水がめを守り、安全な水を常に安定して供給するための施策として、興津川流域の森林保護等の環境保全に努める一方、新たな水源確保対策として、県事業で施行される布沢川ダムの早期建設を要請していくとともに、2万トン規模の貯水池築造に向けた調査を実施するほか、予備水源確保にも努めてまいります。また、配水管を含め水道施設の耐震化に向けた取り組みを図り、災害に強い
施設づくりを目指してまいります。
基本目標の第3は交流のあるまち清水であります。
さまざまな人々が行き交い、盛んな交流を通じて、新たな展開が図られるまちを目指すものであります。
近年の情報化、国際化あるいは生活様式等の変化に伴い、市民のコミュニティに対する関心や、質の高い文化を求める意識の高まりが感じられます。
そこで「清水文化が創造されるまち」では、市民の芸術文化を育てる活動として、市民文化会館自主事業において、親と子のミュージカル、高枚生を対象にした文楽や、ピアノコンサートの開催を予定するとともに、晩年を本市三保で過ごされ、明治から昭和初期にかけて日本西洋画界の指導的役割を担い、その功績が認められ文化勲章を受章した和田英作氏の作品展を、フェルケール博物館との共催により開催することといたしました。
そのほか、例年市内外から多数の来観者があり、大変好評を博している羽衣まつりや、ふれあい音楽事業を継続するとともに、計画をしている
羽衣資料館(仮称)の収蔵品として、本市にゆかりのある芸術家の作品を購入し、その準備に努めてまいります。
また、市民の目を和ませ、芸術作品と身近に接することができるよう設置してある屋外彫刻の汚れが目立つことから、蘇生を図っていくことといたしました。
さらに、本市の歴史上において貴重な役割を果たした文化財に対して市民の理解を深める文化財の保護・顕彰関係では、古墳時代後期と推定される八木間古墳、古墳時代から奈良時代と推定される東山田遺跡の学術調査に新たに取り組むとともに、未開拓分野である石造文化財の調査のほか、国指定文化財清見寺庭園の滝の整備、県指定文化財禅叢寺の絵画の補修への援助をしてまいります。
三保松原の保護育成管理におきましては、松くい虫の防除を初め、枯れ枝処理や育成管理などを継続して進め、名勝地の保全に積極的に取り組んでまいります。
次に「コミュニティ活動の誇れるまち」であります。
コミュニティづくりの主体は市民であり、その市民のふれあいと参加に支えられた地域社会の発展が人間性豊かなまちづくりにつながるものと確信をいたすところであり、この支援には、惜しみない努力をしてまいりたいと考えております。
そこで、本市の地区のコミュニティ活動を推進するため、引き続き地域の個性あるまちづくり事業を19地区で展開し、また、地域住民のコミュニティ活動の場である自治会館3館の建設に対する助成を行うとともに、地域コミュニティの中核施設として、清掃センター旧管理棟跡地に建設を計画している北部コミュニティセンターの基本、実施設計を進めることといたしました。
このほか各種の行政施策を進めるに当たっても、コミュニティづくりとの関連を十分に配慮してまいります。
続いて、「世界に開かれたまち」では、まず交流の推進におきまして、引き続き国際交流協会の運営に対する助成や、職員等の海外研修を実施するほか、国際姉妹都市記念フォーラムへの参加を初め、ストックトン市と相互に教師、青少年の派遣と受け入れを行い、国外との友好親善を深めるとともに、本年度は室蘭市を迎えて開催する観光物産展など国内における交流も活発に推進してまいりたいと存じます。
ところで、去る1月2日に起きました福井県三国町沿岸におけるロシア船籍のタンカー座礁による重油流出事故は、日本海沿岸の広範囲に被害が及び、上越市におきましても、厳寒という悪条件の中、懸命なる重油排出作業が行われたところであります。本市としても、交歓中学校として姉妹都市の窮状を察し、応援物資を送らさせていただきましたが、沿岸漁業等今後に与える影響も大変憂慮されるところでありまして、心からなるお見舞いを申し上げる次第でございます。
この現地作業には、地元の人々に交じって、日本各地からの多くのボランティアが活動している光景がテレビ等で報道されましたが、市職員のボランティア活動に対する意識も高まってきており、これを助長するためのボランティア休暇の導入等環境づくりを図ることといたしました。
また、広域的な取り組みとして、静清地域の一体的な行政サービスや都市づくりの実現のため、清水商工会議所と共同して行う調査、研究を引き続き進めるとともに、清水市、静岡市、焼津市の3市で取り組んできました駿河路観光ビジョンの策定をいたし、広域的な観光指針としての活用を図ってまいりたいと存じます。
次に、「情報を発信するまち」におきましては、静清両市によるハイビジョンシティ構想を推進するとともに、昨年開局したエフエムしみず放送を利用した行政情報の提供を図るほか、清水港輸入品フェアとしみず商工フェアを統合し、装いも新たにウォーターフロントフェアとして、より市民に親しまれ、賑わいの創出が図られるイベントの展開を目指すことといたしました。
基本目標の第4は勢いのあるまちであります。
時代の変化に柔軟に対応し、将来に向かって果敢に挑戦するまちづくりを進めていくものであります。
21世紀を展望する新しい視点に立った各種プロジェクトがつぼみを膨らめてきております。大事に育て、見事な花を咲かせるためには、市民のご理解やご協力をいただきながら、なお一層の努力を傾けていかなければならないと考えております。
そこで、「にぎわいのあるまち」につきましては、港まち清水の特性を生かし、にぎわいと出会いの場、憩いと安らぎの場の創出を目指す日の出再開発事業では、国道149号線沿いの自転車歩行者専用道の電線類地中化と合わせた整備を進め、また、交通量の多い入船町交差点に、県事業として要請していくための歩道橋の基本設計を実施することといたしました。
本再開発事業は、公共事業が一応の整備が進み、今後は民間開発主導による進展が主となってまいりますが、全体計画の早期実現に向けて関係者との協議を図りながら積極的に取り組んでまいる所存であります。
また、JR清水駅の東地区、西地区を一体的に整備して、本市の玄関口としてふさわしい都心づくりを目指す清水駅周辺開発推進事業では、東西両地区を連絡して都市機能の拡大を図り、合わせて駅利用者の利便性を高める自由通路を含めた橋上駅の基本設計を実施し、駅東土地区画整理事業は、都市計画道路東口駅前線や自転車歩行者専用道の整備を進めることとし、駅西土地区画整理事業(仮称)においては、平成8年度に実施したB調査の見直しに引き続き、都市計画決定に向けた関連調査を実施し、そのほかマリンバザールの事業化にも努めてまいります。
さらに、市街地としての独自の魅力を創出し、地区全体の賑わいと活力を呼び戻す市街地再開発事業は、真砂町、草薙駅前、港町第二のそれぞれの地区で取り組んでおりますが、草薙駅前地区の推進計画、真砂町地区の基本計画を実施するとともに、準備組合への支援を継続してまいります。
続いて「挑戦する産業のあるまち」では、懸案となっていました鶴舞工業団地への沖電気工業株式会社の進出もいよいよ具体的となり、本市経済の発展に期待が持てるところであります。
長期化している景気の低迷に伴う中小企業対策としては、融資の面で、運転、設備資金貸付金の大幅な増額を図るとともに、人材育成、販路拡大、技術力向上の各事業に対する援助を継続するほか、清水銀座商店街、辻町商店会の環境整備や、記念すべき商店街連盟50周年事業への支援など商店街の振興にも力を注いでまいります。
また、JR清水駅東地区に勤労者はもとより、市民の福利厚生の増進等に大きく寄与する、雇用促進事業団を設置主体として建設される勤労者総合福祉センターB型施設の基本・実施設計を進めるほか、清水市勤労者
共済会への加入促進に努めてまいります。
さらに、観光振興では、本市の美しい自然や地域の特性を最大限に生かした基盤づくりを進めるとともに、新たな観光資源の発掘にも力を入れ、観光客が魅力を感じる清水となるよう、意を注いでまいりたいと考えております。
清水港開港100年を2年後に控えておりますが、市民はもとより、市外からの来訪者も増えつつあるふれあいと参加の夏の最大イベントみなと祭りが節目の50周年を迎えます。この記念すべき祭りに増額支援をいたしますが、子供からお年寄りまでのだれもが気軽に楽しめる多彩でビッグな企画による演出が期待されるところであります。
また、市の南部、北部地域と過去2回にわたり温泉脈探査を実施してまいりましたが、これを踏まえて、いよいよ本年度は市民待望の温泉井戸の掘削を進めてまいります。市民の保養、健康増進や観光資源として幅広い分野への波及効果が予測されることから、この事業の成功を期して取り組んでまいりたいと考えております。
また、山間地の振興では、平成7年度から高規格幹線道路と連結した物流拠点と、港湾との有機的結び付きの可能性を探る庵原・興津地区山間地開発可能性調査を実施してきましたが、この調査結果をもとに、具現化に向けてさらに研究を重ねてまいりたいと考えております。
農業対策につきましては、我が国の農業を取り巻く情勢は、ウルグアイ・ラウンド農業合意や、平成7年の新食糧法の施行など、大きな変革の時代を迎えている一方、就業者の高齢化、後継者不足、荒廃地の増加等の課題を抱えているのが実情であります。
このため、土地改良事業など
農業生産基盤の整備を初め、生産のシステム化、農業技術の向上を図るための支援措置や、農業後継者の育成対策など、経営基盤の確立を図るとともに、茶、蔬菜花卉等の産地育成、強化などの農業振興を図ってまいります。
なお、農村総合整備モデル事業では、第二東名自動車道とも関連して善念寺2地区の橋梁整備を完成してまいります。
林業関係につきましては、新規事業として立花線の林道開設のほか、林業構造改善の普及、啓蒙を進め、林業の生産性の向上と経営の安定化に努めるとともに、水道事業において水源涵養林地の取得を初め、国
県補助事業と市単独事業により、興津川流域の総合間伐事業を推進し、水資源の確保に取り組んでまいります。
水産業では、沿岸漁業の安定を図るための稚魚の放流を継続して実施するほか、清水港の新港湾整備計画に伴う漁業補償について、先般漁業協同組合の総会において受入決議がされたことから、今後、興津漁港区域に係る本市の対応を含め、市議会に御提案申し上げ、お諮りをさせていただく所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。
新たな機能を備えた港につきましては、特定重要港湾の清水港は国際物流の基地として、本市のみならず、静岡県下や周辺経済圏の産業経済の発展の上で大きな役割を果たし、さらに期待が寄せられているところであります。
市民に港の重要性を理解していただくとともに、賑わいの創出を図る、日の出多目的上屋展望広報資料室(仮称)を、県事業による同上屋の整備に合わせてその上部に建設するための実施設計を行うほか、テクノスーパーライナーの清水港誘致を図るため、引き続き本船就航に向けた運動を展開してまいります。
また、国の地域指定を受けたFAZ事業では、興津地区は本年度事業着手され、尾羽土地改良区内を予定地として取り組んでいる庵原地区FAZ事業では、条件整備としての連絡道路に係る調査を進めてまいります。
次に、「交通体系が整備されたまち」であります。
冒頭でも触れさせていただきましたが、第二東名、中部横断自動車道の整備は、他の高速道路との広域高速ネットワークの形成が可能となり、広域物流体系の確立、観光の広域化、信頼ある交通路の確保等が図られ、本市経済の活性化や人的交流の促進などはかり知れないさまざまな効果をもたらすものと思われます。
中部横断自動車道における整備計画への格上げは、早期実現に大きな弾みがついたところであります。これもひとえに静清庵地域議員連盟を組織し強力な御支援をいただいた議会を初めとして、沿線の市町村、あるいは関係団体の並々ならぬ御努力と市民の熱意によるたまものと深く感謝申し上げる次第でございます。
昨年6月に、吉原地内の清水第三トンネルのボーリングマシーン発進式が行われ、本格的な事業の開始となった第二東名自動車道の早期開通とあわせ、関係機関と連携を図り、より一層の推進活動を展開してまいりたいと考えております。
このほか、将来都市圏構造を踏まえた交通体系の形成を図るための都市計画道路基礎調査では、有度山中腹幹線道路の都市計画決定に向けた準備を進めるとともに、臨海部の幹線道路網の調査を実施することといたしました。
さらに、都市の骨格を形成し、交通機能、沿道利用機能はもとより、市民が安全で快適な都市生活を営む上で、必要な防災機能や環境保全機能を合わせ持つ都市の基盤施設である都市計画街路では、一里山長崎線ほか8路線の整備を引き続き進めてまいります。
また、バス事業者が導入するバスロケーションシステムに対して援助を行い、利用者の利便性や、市街地交通の円滑化を図ってまいります。
そのほか、南幹線を県道昇格路線とするための整備を実施するとともに、市民生活に密着した道路等生活関連事業については、緊急性等を重視して進めてまいります。
最後に、行財政等の計画推進では、平成10年度の予算編成及び執行からの稼働を目指した財務会計システムの取り組みや、職員健康管理システムの導入など、事務処理の迅速化、正確化、省力化に努めてまいります。
平成7年の公文書の開示に関する条例に続き、昨年は行政手続条例を制定させていただきましたが、今後も市民に信頼され、開かれた透明性のある市政運営に努めてまいる所存であります。
また、実施段階にあるプロジェクトや、高度情報化社会への対応など効率的な行政運営を図るため、行政機構を見直す必要が生じたことから、清水駅周辺開発課や
市立病院に用度課を新設し、電子計算課を情報政策課に名称変更するとともに、日の出開発課を日の出開発室とするほか、女性政策推進室や高度情報化推進室、勤労者総合福祉センター担当の設置などの機構改革を実施することといたしました。
以上、平成9年度の市政運営の基本的な考え方と予算・施策の大要について述べさせていただきましたが、21世紀を展望した本市活性化を図る上で重要な役割を担うプロジェクトを初めとして、各事業を推進するに当たっては、限られた財源を有効に活用する中で、職員の英知を結集し、自治、分権、参加を理念として市民との協働作業を進めつつ、また、新たな課題に対しては果敢に挑戦するという姿勢で臨み、積極的な施策展開に全力を傾注してまいる所存でありますので、議員各位を初め、市民の皆様の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、提案いたしました予算案等関係諸議案のご審議につきましては、重ねてよろしくお願い申し上げる次第であります。
21
◯議長(
渡辺隆巳君)以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後2時24分散会
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